奇々怪々綺譚



人と妖が共存する世界。
昔は2つの人種が手を取り仲良く暮らしていたが、とある出来事により人と妖の間に大きな溝が生まれてしまう。
「呪い」
人々はそう呼び、妖にしか現れない奇病の様なものを恐れて森へ迫害した...。



時代は文明開化が謳われる明治初期。
妖達を森へ迫害して以降人間たちは、妖が街へ降りてくるのを防ぐため討伐団を作り完全に妖と対立する形になっていた。妖の中には人間を嫌い凶暴化する者も多く、人間もまたそんな妖を見て更に嫌悪を露わにするものもいた。



そんな中でも妖を想う人、人間を信じる事を諦めない妖、様々な者の想いが巡るお話。


若菜

(わかな)

♀  ht:158  wt:50  age:見た目18(実年齢500)

表情は余り変わらず無口だけど、とても優しい心を持った鬼の少女。雰囲気でなんとなく喜怒哀楽が伺える。
マイペースなのでたまにボーッとしていたり、黙々と花を眺めていたりする。

命あるものに素肌が触れると一瞬で腐らせてしまう呪いを患い、彼女が初めての呪いの発症者な為人や妖から「呪いの元凶」と呼ばれている。
また、呪いを患う瞬間自分が呪いを患うきっかけになったのが狐麦だと気付き、優しい狐麦を傷つけない為彼のこの瞬間の記憶が無くなればいいと強く願った。

狐麦とは幼馴染みたいな関係だったが、狐麦が記憶をなくし疎遠になってしまった。しかし、今でも狐麦のことを想っている。
狐麦が寝ている間だけ側を離れず、起きたら木陰に隠れて密かに見守っている。

「ちょっとそこの貴方、お花踏んでますよ」
「私に触らない方がいいですよ」
「優しくて繊細な彼が自分が犯した事に苦しむのなら、私の事など覚えていなくて良いのです」

狐麦
(こむぎ)

♂  ht:175  wt:62  age:見た目25(実年齢???) 

めんどくさがりな九尾の狐。
自分が呪いを患っていることを知っているがその呪いの症状を自覚していない為、もう呪いを気にせずに過ごしている。
大体草原で寝ている事が多く、起きている事の方が少ないので誰かとあまり話す機会がない。最近は陽気な赤髪の男がしつこいぐらい話しかけて来くるらしく困っている。

呪いを患う以前、若菜とは幼馴染のような関係でとても良く慕っていた。しかし、人や生き物に愛される若菜に嫉妬して周りの生き物が全て若菜の前から居なくなればいいと強く願った結果、若菜が呪いを患ってしまった。その時に狐麦も一緒に呪いを患ったがそれ以前の記憶を無くしてしまったので、呪いと若菜の両方の記憶を失った。

前に一度、青い洞窟に住むイェリョンに人探しを頼まれたが面倒だからと断ったら大泣きされた。

「人探し大変そうだね〜。ん?面倒だから断るよ」
「なにか大事なこと忘れてる気がするんだよね」
「うわ何この人間...。うるさいししつこい...。」

예령
(イェリョン)

♀  ht:160  wt:50  age:見た目20(実年齢800) 

どこかしっかりした雰囲気の優しい赤い蛇の妖。
蠍の妖に移されて足に呪いを患っているが、蠍を恨んではおらず寧ろ生命状態が危なかった蠍の安否を今でも心配している。
呪いの影響で歩けず普段は青い洞窟の中で生活をしていて、たまたま池の中を魚の姿で散歩していた捧日に蠍探しを手伝ってもらっている。ずっと洞窟の中にいて人と接する事が少ないのでよく洞窟の池に来る捧日に天籟(テンライ)と言う愛称を付けて可愛がったり、時には少し甘えたり我儘を言ったりしている。

千里眼をもっているので頻繁に街の様子や森の様子を眺めるのが日課。

「あらあら迷い込んでしまったの?帰り道を教えてあげるわ。その代わりと言っては何だけど、少し手伝ってほしいことがあるの」
「みっともない足だからあまり見ないで欲しいわ」
「天籟は口は悪いけどとてもいい子よ」

捧日
(ホンリー)

♂  ht:175  wt:65  age:見た目18(実年齢1000) 

元々は天帝に仕えていた白龍で、龍の姿になると空を誰よりも早く飛ぶ事が出来ると言われている。天帝の側近に裏切られて、操られていた天帝によって天界から地上に落とされた。
地上に落とされた際に目に呪いを患っており視力が全くない代わりに感触や感覚、気配を察する能力が優れている。
表向きはガサツで言葉遣いも荒いが、人一倍他人の感情に敏感に反応する。

魚の姿になる事ができ、広い洞窟の池を泳いでいたらイェリョンに遭遇し、蠍を探す手伝いをする約束をした。
忠義を尽くしていた天帝の手で地上に落とされた為、「君主に忠義を尽くす」と言う意味が込められた自分の名前を嫌っており、イェリョンに別の名前で呼ぶよう強請った。

「呪いとか別にどーでもいいわ」
「今度その名前で呼んだら喉元掻っ切るからな」
「蠍探しだぁ?クソめんどくせぇな。...なんだよ泣くんじゃねぇよ」

相馬 凛ノ介
(そうま りんのすけ)

♂  ht:175  wt:55  age:27

明るく柔和で探究心溢れる研究家。
街の少し外れにある小さな家を研究所にしており、助手の因幡と2人で「妖の呪い」について研究をしている。人と妖が対立している中でも妖が大好きで、森に住む妖全員と友達になりたいと思っている。
狐麦と若菜については特に気にかけている。

研究の一環として森に出向く必要がある時は元騎士団の因幡を連れて行くと約束しているが、気持ちが先って1人で森に入ってしまい、妖に追い回されてボロボロで帰ってくる時がある。
妖を良く思わない人が大半な為、表向きは元々の職業だった動物病院の医者として働いている。

生活力がかなり乏しく、因幡が研究所に来るまでは家に洗濯機程しか置いておらず、食事もショートブレットに似た栄養調整食品しか食べていなかった。

「因幡は若いのにしっかりしているね」
「妖は皆んなとても優しい子たちばかりだよ。みんなきっと苦しんでると思うから早く助けてあげたいな...」
「痛い痛い!!ごめんて因幡!!勝手に森に行ったのは謝るから〜!!」



『外見資料は作成中....』




因幡 ほのか
(いなば ほのか)

♀ ht:168  wt:56  age:22

凛ノ介の助手。主に、生活能力に乏しかったり無防備で森に入る凛ノ介の介護及び、凛ノ介の意向により森で傷ついた妖の治療などをしている。
5歳年上の凛ノ介よりしっかりしていて、炊事洗濯、獣医看護も卒なくこなす才色兼備。

元々は騎士団に所属する女性騎士として有名で、民を守る警察という認識で動いていたが、ある日妖を虐殺する仲間を見て脱退を決意した。その後、団員だった頃に森で知り合った凛ノ介が行っている研究について知り助手になった。

調査や治療目的で森に入る際は騎士団だった頃の打刀を持って行くが、襲われた時のみ麻酔薬が塗られている刃先で擦り傷程度の軽症を負わせ逃げる。

「もう騎士では無いですが困ったことがあったら何でも言ってくださいね」
「私は人間も妖も嫌いにはなれません。ただ昔祖父に聞いた、人と妖が幸せに暮らしていた日々をこの目で見てみたいのです。...それをきっと、先生は叶えてくれると信じています」
「また1人で森へ行ったんですか?!も"ぉ"〜!!その服縫うの3回目ですよ!!」



『外見資料は作成中....』




瑞麗
(ルェイリー)
 
♀ ht:168  wt:52  age:見た目28(実年齢1000)

街の路地裏の奥にある小さな家でお香屋を営む主人。
非常におっとりしていて母性的な面を持つ一方で、心に薄暗い感情を秘めている。
潔鈎(けっこう)という鳥の妖で、本来はダチョウくらいの大きさの妖だが普段は人に化けて過ごしている。
昔、人間の恋人に妖の姿の自分を酷く罵られてから人間不信になり妖の姿の自分を嫌った。それからは元々大通りに開いていたお香屋を路地裏に移し、人間には察知出来ないようお店を隠しながら妖にお香を提供している。

雨露とジナからは「瑞麗様」と呼ばれ慕われているが、本人はそう呼ばれるのをあまり好んでおらずやめて欲しいと思っている。

若菜が呪いを患う直前、一緒にいた狐麦から瑞麗のお香の匂いを感じ取っていたらしい。

「いらっしゃい。どんなお香をお望みですか」
「雨露やジナが思っているより私は良い存在では無いのですよ」
「傷つくぐらいなら信じなければ良かった...」

雨露
(ウロ)

♂  ht:178  wt:60  age:25

狼と人間のハーフでお香屋の住人。
常に紳士的で優しく、瑞麗に対しては絶対服従している。
主に森へお香の原料となる木材を調達する役目を担っている。その際に妖に襲われていた凛ノ介を助けていて顔見知りになっている。

人と妖が対立をし始めた頃、ハーフである為双方から白い目で見られていた所を瑞麗に拾われた。それ以来瑞麗を強く慕い、人間の血も混ざっている自分に人間不信なのに良く接してくれる事にとても感謝している。
ジナも瑞麗同様に人間不信だが自分に懐いてくれる様を見て弟のように思っている。

「自分の居場所があるという事がこんなに幸せだなんて知りませんでした」
「どうか瑞麗様のお心が晴れる日が来ますように...」
「おや、人が何故森にいるのでしょうか」



『外見資料は作成中....』



진아
(ジナ)

♂ ht:145  wt:35  age:12(200歳)

引っ込み思案で臆病な蠍の妖。
雨露と同様にお香屋に住んでいるが、お客が来ると瑞麗や雨露の後ろにしがみついたり、物陰に隠れたりして様子を伺っている。

森に住んでいる時に人間に虐待された過去がある。
その虐待のせいで頭を強く打ったり両足を潰されたりなどして意識が朦朧とする中で森を彷徨い、その時赤い蛇の妖と出会った。心配する優しい声に縋り付くようにその妖の足を掴んだ瞬間自分の体の異常が全て無くなり、代わりに赤い蛇の妖が倒れていた事に混乱し、無我夢中で走り抜けて辿り着いたのが瑞麗のお香屋だった。
その後は赤い蛇の妖が怒っているのではないかと思い、怯えて過ごしている為、度々瑞麗に鎮静のお香を焚いてもらっている。

人間不信だが、一緒に暮らしている雨露の事は「朝の雨の音がする」らしくとても気に入っている。

「瑞麗様と雨露の側に居ると繭で包まれている気分になるんだ...」
「あの時は痛くて辛くて...それ以上にとても悲しかったんだ...」
「ど、どうしようどうしよう...!あの蛇の妖きっと怒ってる...!僕を頭から食べに来るに決まってるよ...!」