願いの旅路


喉から手が出るほど切望する願い。
いつかはと夢見る願い。
ひと時と短い時間でも望む儚い願い。

3人の少女が望む願いとそれを記録する旅人のお話。




〈 アスティアーノ王国 〉

広大な土地を所持しており、国内生産が盛んな国。
何でも自給自足出来るほど民の能力は高いが、貿易は一切行わない為独立化している唯一の国となっている。
それはトップに立つ国王の慎重な性格か、又は歴代の国王から受け継いでいるものなのか定かではないが、第一王子も現国王の意思を受け継ぎつつある。


〈 フェレスティア王国 〉


森林が多く自然情緒溢れる長閑な国。
小さな街がいくつもあり、各々いつも人で賑わっている。
一見穏やかに見える国だが、昔から根強く蔓延る言い伝えに縛られている国でもある。
"体の何処かに不調を持ったまま生まれてくる子供は災を呼ぶ"
この言い伝えによって生まれて間もなく殺されてしまう子供や、隣接する国へ養子に出されてしまう子供などが絶えずにいる。現国王の娘も不調を患って生まれたが、母の意向もあり殺さず森の中の高い塔に幽閉する決断をした。

シャーロット

♀  T:165  W:50  年齢:17


アスティアーノの王国国王の末娘。
性格は傲慢で、欲しいものは全て自分の手に入れたがる。年上の人にも非常識な態度をとることが多いので国政の役員の間で色々と問題視されている。そう言った振る舞いから悪目立ちをしているが、国の綻びに彼女のみが気付いている。

今の国内情勢に不満を抱いていて、もっと国を自分の手で発展させたいと願っている。しかし兄が多く、女性という不利な立場故なかなか思い通りにいかず歯痒い気持ちでいる。

4人の兄達とは仲が悪く、特に長男とは絶望的に仲が悪い。

自分の事を旅人だという男に黒い水晶を貰いいつも持ち歩いていたり、イライラすると爪を噛む癖がある。

「国は傾きかけているのに古い歴史に縛られて、僅かな崩壊にも気づけないなんて父も兄も馬鹿だな」
「国も権力も財力も、全て私が手に入れる...!」


ダニエラ

♀  T:165 W:45 年齢:19

フェレスティア王国の森の一番高い塔の中に閉じ込められている、盲目で歩けないが絶対音感を持っている少女。
生まれつき盲目や足の障害があった為に国に災いが起こると思われ塔に閉じ込められてしまった。

常に塔の下の森の様子をうかがい、動物の様子やたまに訪れる人の様子を伺うのが日課となっている。 
一応食事や必要なものなどは召使いが塔の上まで運んできてくれるので彼女の周りにはあまり不自由はなかった。そんな召使に感謝はしていたが本心はここから出たいと常に願っているため、いつか塔の中から連れ出してくれる人を待っている。 

召使い以外は入れない塔の中にいつの間にか入って来ていた旅人と名乗る男から、青い鳥を貰い「ジェニー」と名前をつけて可愛がっている。 


「おはようございます。今日も森のみんなは賑やかですね」
「ジェニーはいつも一緒にいてくれますね。ここは私1人しかいなくて寂しい所だから嬉しいです」 
「てっきりあの人がここから連れ出してくれると思って期待してしまいました」

タレイア

♀  T:160  W:50  年齢:19

フェレスティアのから少し外れたところにある小さな国の街娘。
性格は明るく元気で、いつも歌を歌いながら歩き回っている。街の小さなレストランで働いており、街の人には笑顔で話しかけたりし、常に笑顔の絶えない少女。

ある日、森に深く入り込んでしまい暗い森の中を数日間彷徨うという経験をした事がある。そのストレスから、色覚異常を患い色の判別が難しくなってしまった。
しかし、暗闇の中を誰かが手を引いて森の出口まで連れて行ってくれたらしく、今生きているのはその人が助けてくれたからだと言っており、その恩人を探している。
森から出た後すぐにその恩人が何処かに消えてしまった代わりに、握っていた手の中にブレスレットが残っていたのでこれを身に付けていればまた会えると思い大切にしている。

「いらっしゃいませ~!本日は旬のナスとトマトを使ったカポナータがおすすめですよ」
「きょ~うの賄いなんじゃろな~♪」
「あの時、あの人が見つけてくれなければ私は死んでいたと思います。だから一度でいいから会ってお礼がしたいです」

ユリアーノ

♂  T:180  W:60  年齢:25歳くらい

自由気ままな旅人。
変わったものや面白いものが好きで、旅をしてはそこで出会った人に今までの旅の話を聞かせている。
見た目は柔和で優しいが、とても謎めいている。

旅をする身柄、あまり睡眠欲がない。


「僕はただの旅人さ。名前は無いから旅人と呼んでおくれ」
「君は面白いものを持っているんだね。僕にもっと教えてくれないかい?」
「彼女達がどんな選択をするのか...とても楽しみだな」